mediaworkerの雑感

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「レモンジーナ」品薄商法のツケが、現場に押し寄せていて驚いた。

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1、レモンジーナを2本買うと、ポテトチップスが付いてくる!?


サントリー食品の、果汁入り炭酸飲料「レモンジーナ」が発売休止を発表し、「品薄商法ではないか?!」との批判が後を絶たない模様です。

news.mixi.jp

詳しい情報は上記サイトなんかを見ていただければと思いますが、
サントリー食品によれば、2015年12月末までの販売計画100万ケースを、3月31日の発売からわずか2日で125万ケース出荷し、年間目標を上回ってしまったとのこと。

この販売計画に対して、「見込みが甘すぎる」「嘘くさい」との意見が続出しているようです。
その意見の根拠の一つが、姉妹品である「オランジーナ」の販売量について。

レモンジーナの姉妹商品である「オランジーナ」も発売当初、計画を大きく上回る売れ行きをみせた。
日本で発売された2012年、オランジーナは当初販売計画200万ケースを大きく上回る900万ケースの販売となった。その後もオランジーナは売り上げを伸ばしており、サントリーは2013年の販売目標を対前年133%の1200万ケースと設定していた。


とまあ上記の引用ツイートがすべてを物語ってくれていますが、、

ただ僕は、この「品薄商法」自体には、「ふぅん…」といった程度の印象しか抱いていませんでした。
たしかに、ちょっとタチが悪い印象はありますが、「マーケティング戦略の一つです」と言われれば、まあ納得できなくはないかな、というのが僕の認識です。

ただし、「品薄商法」それ自体は許せても、
実際には全然「品薄」じゃない!
という点に関しては、さすがに問題なんじゃないかと思っています。

2、レモンジーナを必死に売る試飲販売のパート店員

どこの店に行ってもレモンジーナが山積みされているという印象を持っている方は多いと思います。
もちろん全ての実態を把握できているわけではありませんが、自分が見かけた数店舗のスーパーでも、どこも山積みといっていい状態でした。

そんな中、土曜日である今日、都内某所の「西友」に行くと、「レモンジーナ」の試飲販売が行われていました。

その店舗では、ドリンクの陳列棚に並んだレモンジーナとは別に、特設コーナーとしてレモンジーナを並べて陳列し、試飲販売をしていたのですが、、
パート女性の呼び込みの声を聞き、耳を疑いました。

パート店員「ただいまレモンジーナ2本お買い上げの方に、ポテトチップスをお配りしています!」

・・・えぇ!?

見ると、パート店員の足元に、「カルビー西友様用サンプル」といった貼り紙がされた、ポテトチップスが入った段ボール箱が。

なんとその店では、カルビーの力を借りて、レモンジーナを捌いていたのです。

けど当然ですが、カルビーのポテチはすぐになくなってしまい、また丸腰(?)で販売をしなければならないことに。

しかも陳列棚の脇に目をやると、未開封の「レモンジーナ」の段ボール箱が山積みされているじゃないですか!

苦肉の「ポテチ付け合わせ作戦」も、圧倒的な在庫量の前には、微々たるものだったようです。

3、「品薄商法」を突っ込まれ、パート店員さんタジタジ。


僕があっけにとられて立ち尽くしている中、案の定というか、寄ってきた客から、店員に質問が飛びます。

客「これ(レモンジーナ)って品切れ状態って聞いてたんだけど・・・?」

店員「(在庫の段ボールを開封しながら)あ、はい。売り切れの店もあるみたいでして・・・」

客「でも、どこも結構あるわよ?」

店員「(段ボールから陳列棚に補充しながら)そういう店も、あるみたいです、はい・・・」

という、言わされてる感丸出しの、なんとも涙ぐましいやり取りが。

こんな風に客に文句を言われながら、工夫を凝らしてレモンジーナを陳列・販売する――そんな光景が日本中のいたるところで見られているのかと思うと、なんとも言えない気持ちになります。

4、「出荷」量でニュースを作り、小売店を困らせるサントリー


冒頭でも言いましたが、僕は「品薄商法」自体を即座に否定するつもりはありません。製造量を絞り、意図的に需要が供給を上回るように調整し、ニュースにして購買意欲をあおる。
このやり方だと、「客の欲しいときに商品がない」というリスクも発生しているわけで、そのリスクを背負う覚悟があるなら、まあ黙認してもいいのではないか(あまり気持ちよくないけど)というのが僕の考えです。

けど、今回のケースは少し話が違う気がします。
今回は、大量の商品を半ば強引に小売店に出荷し、その「量」をニュース化することで、あたかも大量に「売れた」かのような印象を消費者に与える、というもの。

これでは、大量に捌かねばならないスーパーなどの小売店がシワ寄せを食らってしまいます。

僕は詳しくないので、売れ残った場合どういった処置がとられるのかなど不明点はありますが、店員さんの涙ぐましい販売の努力を目の当たりにした今、今回の「商法」の被害者は、現場で商品を売っている人たちなのではないかと思えてしまいます。

さすがに「ポテチ付け合わせ作戦」を目の当たりにしてしまった以上、問題だと感じずにはいられませんでした。

そもそも、どうして小売店は、大量の在庫を抱えなければならなかったんでしょう?
やはりそこは圧力というか、力関係があるのでしょうね・・・。
この騒動を契機に、サントリー食品はじめ各メーカーが「適正な販売計画」を立てるようになることを祈ります。


ちなみにこのレモンジーナ、西友では1本77円で売られていました。

西友は庶民の味方です笑。