2015年のCM界は、中村洋基というぶっ飛びクリエイターが席巻する!?
PARTYという制作会社のクリエイティブディレクター、中村洋基が、『AdverTimes(アドタイ)』で連載している記事が面白く、タメになる。
とある若者クリエイターの緩やかな死と、バッターボックスの間 | AdverTimes(アドタイ)
まあ、ザックリ言うと、
・CM制作は社内外のコンペを経て採用作品が決まるため、企画の採用確率が非常に低い。
・たまに企画がコンペを通っても、クライアントからのオーダーに四苦八苦することになる。
・ゆえに、納得のいく「成功体験」を得られる確率は、壊滅的に低い。
という制作の現場の問題点(というか、当たり前とも言える現状)を指摘したうえで、ではどうすればいいかを考える、というコラムだ。
(と、まとめたら身もフタもないけど、とにかく文章が面白いので、是非リンクをご覧ください。)
そんな現状であるがゆえに、中村氏が出す結論は、
「とにかく、一回でも多くバッターボックスに立とう!」
ということなわけです。
これは本当にそう。
「失敗なくして、成功にはたどり着けない」
とはよく言われますが、
打席に立たない限り、失敗することさえできないけです。
この考えを実践すべく、中村氏は、「違う角度から攻める」という頑張り方をしたそう。
たとえば、ぼくの場合、もともと電通のクリエイティブの先輩方のような、すばらしいアイデアは到底思いつかなかった。ところが彼らは、アイデアはすばらしいのに、デジタルのアウトプットに落とすための具体的なディレクション方法が欠落していたのだ。
「こんな面白い感じにやってチョ」で、いいものができるはずはない。ぼくは、サーバーサイドのAPI仕様を書いたり、アニメーションやインタラクションを実際に同じソフトで作って「このような動作にしましょうよ」と、具体的にデジタルプロダクションとの連携を取ることになった。
プランナーは、アイデアが理想に近い形でアウトプットになるので、喜んだ。
プロダクションも、自分の範疇より上のアウトプットになった。喜んだ。
そして、実際、仕様に解釈する時点で、かなりぼくのアイデアが盛り込まれている。ぼくは、勝手にこの役職を「テクニカルディレクター」と称して、名刺をつくった。
当時、会社では「そんな役職ないので、名刺つくれません」と言われたので、
自分でキンコーズに入稿して、会社とは別に、名刺をつくった。自分の立場がはっきり変わった。
まわりも、ぼくに声をかけるタイミングがわかってきた。
こうなると、アウトプットにこぎつけられる確率は、ほぼ100%になった。
事故でもなければ、まず確実にアウトプットにこぎつけられる。
なぜなら、大筋決まった、かつ自由に作れる仕事が舞い込むことになり、
当時の電通で、他に同じようなことをやっている人間が誰もいなかったからだ。
要するに、他人の企画のアウトプットを手伝うポジションを勝手に作ってしまったわけです。
まあ例えて言うなら、「打者のサポート」と称して一緒にバッターボックスに入っちゃう、といったところでしょうか?
そう考えるとかなりの荒業ですね笑。でも、いい発想だと思います。
この方の名前、決して有名というほどではないかもしれませんが、業界ではかなりキテると話題になってます。
プロフィール的には、
最近の代表作に、レディー・ガガの等身大試聴機「GAGADOLL」、トヨタ「TOYOTOWN」トヨタのコンセプトカー「FV2」、ソニーのインタラクティブテレビ番組「MAKE TV」などがある。
とのこと。
いやはや、多分この方、さらに注目されていくでしょうね。
だって面白いもの! 発想も、文章も。